2026年9月15日

今年は例年より早い時期からインフルエンザの流行が確認され、早めの予防を考えている方も多いのではないでしょうか。
当院でも10月からインフルエンザの予防接種を開始する予定です。近年は、従来の「注射タイプ」に加えて、鼻にスプレーするタイプの「フルミスト」も選択できるようになりました。
今回は、この2つのワクチンにはどのような違いがあるのか、わかりやすくご説明します。
フルミストと注射タイプの違い
まず大きな違いは「接種できる年齢」です。
フルミストは2歳から18歳までが対象です。一方、従来の注射タイプは生後6か月以降から接種することができます。
接種回数にも違いがあります。フルミストは基本的に1回の接種で済みます。注射タイプは、6か月~12歳では2回接種が基本となり、13歳以上では原則1回接種です。
効果に違いはあるの?
「鼻から入れるワクチンのほうが効果が強いのでは?」と思われる方もいるかもしれません。
フルミストと注射タイプは、どちらもインフルエンザの発症や重症化を防ぐことを目的としたワクチンで、どちらかが明らかに優れているというわけではありません。
ワクチンを接種してから十分な免疫ができるまでには、どちらもおよそ2週間かかります。
なお、「フルミストは効果が1年間、注射は5か月」と一般的には考えられています。ただしワクチンの効果は、流行するウイルスの型やその年の流行状況、年齢などによっても変わりますので、あくまでも目安となります。
副反応にも違いがあります
フルミストは、弱毒化したインフルエンザウイルスを鼻から投与する「生ワクチン」です。そのため、接種後に鼻水、鼻づまり、咳、のどの痛み、発熱など、風邪に似た症状がみられることがあります。
一方、注射タイプでは、注射した場所の赤み、腫れ、痛みなどが主な副反応です。発熱やだるさ、頭痛などが起こることは少なく、起こった場合でも症状は軽く短期間で改善することがほとんどです。
結局、どちらを選べばいい?
2歳未満の方や19歳以上の方は、基本的に注射タイプが選択肢になります。
2~18歳では、フルミストと注射タイプのどちらを選ぶか、それぞれの特徴を考えて決めることになります。
フルミストのメリット
- 鼻にスプレーするため、注射が苦手なお子さんでも受けやすい
- 基本的に1回の接種で済む
一方で、基礎疾患(喘息、心臓血管系疾患、腎臓疾患、肝臓疾患、血液疾患、発育障害、けいれん)がある方、免疫機能に問題がある方、ゼラチンアレルギーがある方などは、フルミストを接種できない場合があります。
また、妊娠中や妊娠の可能性がある方や授乳中の方、免疫不全の方と同居されている方など、フルミストが適さないケースもあります。接種を検討する際には、持病や治療中の病気、アレルギーなどをお持ちの方は主治医に相談されるのがよいでしょう。
今年は例年になく早い時期からインフルエンザの流行が確認されています。
「注射がいいのか、フルミストがいいのか」と迷われる方も、それぞれの特徴を知ったうえで、ご自身やお子さんに合った方法を選んでいただければと思います。
インフルエンザは、ワクチン接種だけでなく、手洗い、換気、十分な休養などを組み合わせて予防することが大切です。早めに準備をして、流行シーズンを元気に乗り切りましょう。