2026年9月01日
「ぐるぐる回るわけではないけれど、なんとなくふわふわする」「歩くと足元が不安定な感じがする」。そんなめまいが長く続いていませんか?
めまいにはさまざまな種類がありますが、近年注目されているものの一つに持続性知覚性姿勢誘発めまい(PPPD)があります。PPPDは、ふわふわ・フラフラするようなめまいが長期間続く「慢性めまい」の一つです。脳の神経信号の伝達やコントロールがうまくいかなくなり、脳のバランス調整機能や知覚処理にエラーがおこる「機能性神経障害(FND)」の一種とされています。
PPPDではどんな症状が起こる?
PPPDの特徴は、ぐるぐる回る回転性めまいではなく、浮いているような、揺れているような感覚が続くことです。
代表的には、
- 雲の上を歩いているようなふわふわ感
- 足元が不安定な感じ
- 立ったり歩いたりすると症状が強くなる
- 電車やバスなどに乗ると気分が悪くなる
- 人混みやスーパーの陳列棚を見るとふらつく
- スマートフォンをスクロールしたり、映像を見たりすると症状が悪化する
といった症状があります。
疲れているときや夕方、ストレスや不安を感じたときに症状が強くなることもあります。一方で、難聴や耳鳴りなどの聴覚症状は通常みられません。
なぜPPPDになるのでしょうか?
PPPDは、強いめまいや体調不良、ストレスなどをきっかけに発症することが多いとされています。
最初に起こっためまいをきっかけに、脳が「バランスが崩れていないか」と過剰に警戒するようになり、視覚や体から入ってくる情報に敏感になってしまうと考えられています。
そのため、病気そのものがなくなったり軽くなったりした後も、脳が「めまいが起こるかもしれない」と反応し続け、症状が長引くことがあります。
どのように診断する?
PPPDでは、問診で症状がどのように始まり、どんな場面で悪化するのかを詳しく確認することが診断の重要なポイントになります。日本では新潟大学が開発した「新潟PPPD問診票(NPQ)」がよく用いられているようです。
必要に応じて、聴力検査や眼振検査、平衡機能検査、MRI・CTなどの画像検査を行い、耳や脳などに別の病気がないかを確認します。
治療は「めまいを怖がりすぎないこと」から
PPPDの治療では、まず「これはどのような病気なのか」を正しく理解することが大切です。
そのうえで、十分な睡眠、適度な運動、スマートフォンやパソコンの使用時間を調整するなど、生活習慣を整えていきます。
症状に応じて、前庭リハビリテーション(めまいのリハビリ)や認知行動療法、SSRI・SNRIなどの薬による治療を組み合わせることもあります。
「検査では異常がないと言われたのに、めまいが続いている」という方の中にもPPPDが隠れていることがあります。
ふわふわするめまいが3か月以上続いている、日常生活に支障が出ているという方は、一度、専門医療機関に相談してみることをおすすめします。