2026年8月15日
「中耳炎」という言葉は、お子さんをお持ちの方なら一度は聞いたことがあるのではないでしょうか。中耳炎は、耳や鼻の構造がまだ発達途中にある子どもに起こりやすく、繰り返したり、治るまで時間がかかったりすることもあります。
中耳炎ってどんな病気?
耳の奥には鼓膜があり、そのさらに奥に「中耳」という空間があります。この中耳で炎症が起こるのが中耳炎です。
子どもに多いのは、主に「急性中耳炎」と「滲出性中耳炎」の2つです。
急性中耳炎は「痛い・熱が出る」ことが多い
急性中耳炎は、鼻やのどの風邪に続いて起こることが多い病気です。鼻やのどの細菌・ウイルスが、耳と鼻の奥をつないでいる「耳管」を通って中耳に入り、炎症を起こします。
突然、耳が痛くなったり、発熱したり、聞こえにくくなったりするため、比較的気づきやすいのが特徴です。治療は症状の程度に応じて、抗菌薬の内服や、必要に応じて鼓膜に小さな穴を開けて中耳の膿を出す「鼓膜切開」などを行います。
なお、通常はお風呂やプールの水が耳に入っただけで中耳炎になることはありません。鼓膜に穴が開いていなければ、過度に心配する必要はありません。
滲出性中耳炎は「痛くない」ことも
一方、滲出性中耳炎は、中耳に液体がたまる病気です。急性中耳炎の後に起こることもあれば、風邪やアレルギー性鼻炎などによる鼻・のどの不調が続くことで起こることもあります。
特徴は、痛みや発熱がないことが多いこと。そのため、気づかないうちに聞こえが悪くなっていることがあります。
「最近、何度も聞き返すようになった」「呼びかけへの反応が鈍い」「テレビの音量が大きくなった」といった変化は、聞こえにくさのサインかもしれません。特に小さなお子さんは自分で「聞こえにくい」と伝えられないため注意が必要です。長期間聞こえにくい状態が続くと、言葉の発達に影響する可能性もあります。
初期には、鼻やのどの治療を行いながら自然に改善するか経過をみます。長引く場合や聴力への影響が大きい場合には、鼓膜切開や鼓膜チューブの挿入などの治療を検討します。
「痛くないから大丈夫」とは限りません
急性中耳炎と滲出性中耳炎は、別々に起こるだけでなく、急性中耳炎から滲出性中耳炎へ移行したり、両方が関係したりすることもあります。
大切なのは、症状だけで判断せず、耳の状態や聞こえの変化を定期的に確認することです。当院では、鼓膜の写真撮影や鼓膜の動きを調べる検査(ティンパノメトリー)などを行い、時間の経過とともに状態を確認しながら、その時のお子さんに必要な治療を行っています。
「耳が痛い」という症状がなくても、聞こえ方に変化がある場合は、一度耳鼻咽喉科で相談してみることをおすすめします。