2026年8月01日
以前のコラムでもご紹介した「nodoca(ノドカ)」は、口を開けてのどの写真を撮るだけでAIが判定を行う検査機器です。鼻に綿棒を入れる必要がないため、検査時の負担が少ないことが大きな特徴で、インフルエンザ検査ではすでに多くの医療機関で活用されています。
そして2026年6月からは、新型コロナウイルス感染症についても保険診療で使用できるようになりました。
最近では、当院のある九州地方でも新型コロナ感染症が再び増加傾向となり、夏場の流行がみられています。そのため、「鼻ぬぐいをしなくてもコロナが分かるの?」とご質問をいただく機会も増えてきました。
しかし、現時点では新型コロナ感染症に対するnodocaの利用には、知っておいていただきたい点があります。
現時点での課題
新型コロナ感染症に対するnodocaでは、約7割が「判定不能(感染しているかどうか判断できない)」という結果になると報告されています。
「判定不能」とは、「陰性」という意味ではなく、AIだけでは感染の有無を判断できなかったということです。
そのため、「新型コロナかどうかをはっきり知りたい」という場合には、追加で鼻ぬぐいによる抗原検査などを行う必要があります。
当院での考え方
このような理由から、当院では新型コロナ感染症の検査を第一に希望される場合は、鼻ぬぐいによる検査をおすすめしています。
一方で、「どうしても鼻の検査が苦手」「できれば避けたい」という方には、判定不能となる可能性があることをご理解いただいたうえで、nodocaによる検査を選択していただいています。
現時点では、インフルエンザを疑ってnodocaを行った際に、あわせて新型コロナ感染症の可能性も確認するという使い方が、実際の診療では最も現実的ではないかと考えています。
今後に期待
なお、インフルエンザに対するnodocaの有用性はこれまでどおり高く、鼻ぬぐい検査が苦手な方にとっては、負担の少ない検査方法として大きなメリットがあります。
また、AIを活用した医療技術は現在も進歩を続けています。症例の蓄積によって判定精度の向上が期待されており、今後、新型コロナ感染症に対する診断能力もさらに改善される可能性があります。
当院でも新しい知見を取り入れながら、それぞれの検査の長所と限界を踏まえ、患者さんにとって最適な検査をご提案していきたいと考えています。