2026年7月01日

せっかくの旅行や遠出なのに、「車に乗ると気分が悪くなる」「船やバスに乗るのが苦手」という方は少なくありません。
乗り物酔い(動揺病)は、子どもだけでなく大人でも起こる身近な症状です。原因を知り、適切な対策をとることで症状を軽くできることもあります。
1.乗り物酔いはなぜ起こるの?
乗り物酔いは、乗り物の揺れや加速・減速によって、耳の奥にある平衡感覚をつかさどる「三半規管」からの情報と、目から入る視覚情報にズレが生じることで、脳が混乱して起こると考えられています。
その結果、自律神経のバランスが乱れ、
- めまい
- 生あくび
- 吐き気・嘔吐
- 冷や汗
- 頭痛
- 顔面蒼白
などの症状が現れます。
2.酔いやすくなる原因
次のような状況では、乗り物酔いが起こりやすくなります。
- 急発進や急ブレーキ
- カーブや縦揺れの多い道
- 車内での読書やスマートフォン、ゲーム
- 流れる景色をじっと見続ける
- 睡眠不足や疲労
- 空腹や食べ過ぎ
- 車内の強いにおい
- 「また酔うかもしれない」という不安や緊張
体調や精神状態も、意外と大きく影響します。
3.薬を飲む前にできる対策
酔い止め薬だけに頼らず、普段から次のような工夫をすると症状を予防しやすくなります。
- 前日は十分な睡眠をとる
- 空腹・満腹を避け、軽めの食事にする
- 進行方向を向いて座る
- 遠くの景色を見るようにする
- スマートフォンや読書はできるだけ控える
- 車内を換気し、新鮮な空気を取り入れる
- 水分をこまめに補給する(炭酸飲料は控えめに)
- 香水や食べ物など、強いにおいを避ける
これらを組み合わせるだけでも、酔いやすさが改善することがあります。
4.酔い止め薬にはどんな種類がある?
市販薬や処方薬にはさまざまな種類がありますが、それぞれ特徴が異なります。
- アネロン
酔い止め効果が高いことで知られている市販薬です。
吐き気を抑える成分や、自律神経を落ち着かせる成分などが時間差で作用するため、1日1回の服用で長時間効果が続きます。
一方で、眠気が出やすいため、自動車の運転や危険を伴う作業を行う方は注意が必要です。 - トラベルミン・センパア
処方薬のトラベルミンや、市販薬のトラベルミンシリーズ・センパアシリーズも広く使用されています。
乗り物に乗る30分~1時間前に服用すると効果的です。こちらも眠気が出ることがあるため注意しましょう。
市販薬には子ども向けや眠気を抑えたタイプなど、さまざまな製品がありますので、年齢や使用する場面に合わせて選ぶことができます。 - 普導丸(ふどうがん)
漢方薬タイプの酔い止めです。最大の特徴は、眠気がほとんど出ないことです。
乗車前の服用が理想ですが、酔ってしまった後でも症状の軽減が期待できる場合があります。
5.自分に合った対策を見つけましょう
乗り物酔いは命に関わる病気ではありませんが、旅行や帰省、お出かけそのものが憂うつになってしまうこともあります。
生活習慣の工夫だけで改善する方もいれば、酔い止め薬を上手に利用することで快適に過ごせる方もいます。
「毎回酔ってしまう」とあきらめず、自分に合った予防法や治療法を見つけることが大切です。乗り物酔いでお困りの方は、耳鼻咽喉科でもお気軽にご相談ください。