2026年5月01日

今年のスギ・ヒノキ花粉のシーズンもようやく落ち着き、ほっとされている方も多いのではないでしょうか。毎年つらい症状に悩まされている方の中には、「来年こそはしっかり対策したい」と、舌下免疫療法を検討されている方もいらっしゃると思います。
舌下免疫療法は、アレルギーの原因となる物質(アレルゲン)を少量ずつ体に取り入れることで、体質そのものを改善していく治療です。花粉が落ち着いている夏(6月~11月頃)が開始に適した時期とされていますが、いくつか知っておきたいポイントがあります。
1.対象は「スギ」と「ダニ」
現在、日本で行われている舌下免疫療法は、スギ花粉とダニアレルギーに対するものに限られています。
スギとヒノキは似た構造を持つため、スギ花粉症の治療によってヒノキ花粉症の症状も軽くなることが期待できます。ただし、ヒノキ単独の花粉症の方は対象にならないため注意が必要です。
2.開始薬の供給に制限がある場合があります
舌下免疫療法は、最初の1週間は「開始薬(少量)」から始め、その後「維持薬(通常量)」へ移行して長期間継続していきます。
現在、スギの開始薬は流通量が限られており、タイミングによってはすぐに治療を開始できないことがあります。そのため、ダニアレルギーもある方は、先にダニの治療から始めるという選択肢もあります。
3.開始時期に注意が必要です
スギ花粉症の方は、花粉飛散期(1~5月)を避けて開始することが推奨されており、6~11月が適した時期となります。
これはダニの舌下免疫療法にも同様に当てはまります。一方で、スギ花粉症がなくダニアレルギーのみの場合は、基本的に一年中いつでも開始可能です。
4.治療は「長く続けること」が大切です
舌下免疫療法は、すぐに効果が出る治療ではありません。毎日コツコツと継続することで、徐々に効果が現れてきます。
早い方でも効果を実感するまでに数か月、スギ花粉症の場合は「次のシーズンで軽くなる」という形で実感されることが多いです。一般的には3~5年程度の継続が推奨されています。
また、治療中に1か月以上中断してしまうと、最初からやり直しになる場合があります。特にスギの場合は開始薬の入手が難しいこともあるため、できるだけ中断しないことが重要です。
5.副反応について
治療開始初期には、
・口の中のかゆみや腫れ
・舌の下の腫れ(舌下腫脹)
・のどの違和感やかゆみ
・くしゃみ、鼻水、目のかゆみ
など、軽いアレルギー症状が出ることがあります。
多くは1か月ほどで落ち着いてきますが、症状が強い場合は無理せず医師に相談してください。
まれではありますが、
・呼吸困難
・顔や唇の腫れ
・全身のじんましん
・強い腹痛や嘔吐
などの症状(アナフィラキシー)が出た場合は、速やかに医療機関を受診する必要があります。
治療を検討されている方へ
舌下免疫療法は、アレルギー症状を根本から改善できる可能性のある治療法です。一方で、継続が必要であり、開始のタイミングや適応にも注意が必要です。 「毎年の花粉症を少しでも楽にしたい」と感じている方は、ぜひ一度ご相談ください。ご自身に合った治療方法を一緒に考えていきましょう。