2025年7月25日

土用の丑の日、そして増えるご相談
夏が近づくと、あちこちで目にする「土用の丑の日」「うなぎ」の文字。おいしいうなぎを食べる機会も増えるこの季節、耳鼻咽喉科には毎年「うなぎの骨がのどに刺さった!」というご相談が急増します。
実はうなぎに限らず、鯛やカレイなど硬くて鋭い骨をもつ魚を食べた際にも、同様のトラブルが起こることがあります。
「ちょっと骨が刺さったかも…」と思ったとき、どう対応するのが正解でしょうか?
自分で取ろうとするのは危険です
当院に来られる患者さんからは、こんなお話をよく聞きます。
- 「ご飯を丸のみしてみたけど、取れなかった」
- 「指で触ってみたけど届かなかった」
- 「一晩様子を見ていたけど、痛みが引かない」
実は、このような自己判断での対応は、かえって危険になることがあります。
危険な理由
- 無理に押し込むと、骨が粘膜に深く刺さって埋もれてしまうことがあります。
- 傷口から細菌が入り、膿瘍(のうよう)などの感染を起こす可能性もあります。
- 鋭く硬い骨(特に鯛やカレイなど)は、運よく飲み込めたとしても、腸に達して穿孔(穴が開く)を起こすと腹膜炎などの重篤な合併症につながることがあります。
魚の骨が刺さったかも?と思ったら
のどに違和感がある、魚の骨が刺さったような痛みを感じる場合は、早めに耳鼻咽喉科を受診してください。
耳鼻科では、専用の内視鏡などを使って、骨の位置を正確に確認し、安全に除去することができます。
小さなトラブルのうちに対処することが、後の大きなリスクを防ぐためにとても大切です。
まとめ
- ご飯を飲み込んで取ろうとするのはNG!
- 魚の骨を放置するのも危険!
- 違和感がある時は、できるだけ早く耳鼻科へ!
「こんなことで受診していいのかな?」と遠慮せず、お気軽にご相談ください。