2025年9月19日
「食事のたびに顎の下が腫れてズキズキ痛む…」そんな経験はありませんか?
せっかくの食事が楽しめなくなるつらい症状、その原因のひとつに「唾石(だせき)」があります。
唾石症とは?
唾石症とは、唾液をつくる「唾液腺」や、唾液の通り道に石のようなもの(唾石)ができて詰まってしまう病気です。
唾液がうまく流れなくなることで、唾液腺が腫れて痛みを感じるようになります。
特に顎の下にある「顎下腺(がっかせん)」で起こることが多いため、顎の下が腫れたり痛んだりするのが特徴です。
また、食事の時には唾液の分泌が増えるため、症状が一層ひどくなることがあります。詰まりが完全になると細菌が増えて強い炎症が起こり、熱が出ることもあります。
治療は段階的に行います
まずは痛みや腫れを和らげることから始めます。必要に応じて痛み止めや抗生剤を使い、唾液の流れを改善させます。
そのうえで、次のような治療を選択します。
- 自然排出の促進
水を多めに飲んだり、顎の下をマッサージして唾液を出やすくする方法です。石が小さい場合は、自然に口から出てくることもあります。 - 口内法(こうないほう)
石が口の中に近い場所にある場合、口の中の粘膜を小さく切開して取り出します。傷跡が目立ちにくいのがメリットですが、再発することがあります。 - 口外法(こうがいほう)
顎の下を切開して、石と唾液腺を一緒に取り除く方法です。再発がないのがメリットですが、皮膚に小さな切開痕が残ります。
多くの方は、まず自然排出や口の中からの小さな手術で改善しますので、過度に心配されなくても大丈夫です。
予防のためにできること
普段から唾液の流れをよくしておくことが予防につながります。
- こまめに水分補給をする
- よく噛んで食事をする
- 酸味のあるものを食べて唾液の分泌を促す
こうした工夫で唾液がサラサラになり、石ができにくくなります。
早めの受診がおすすめです
「食事のたびに顎の下が腫れて痛い」「最近何度も同じ症状を繰り返す」という方は、耳鼻咽喉科にご相談ください。
適切な治療を受けることで、痛みや腫れがなくなり、食事を楽しめるようになるかもしれません。