2025年5月23日

航空性中耳炎について
飛行機の離着陸時や、山を登ったり下ったりするときに「耳が詰まる感じ」や「キーンとした痛み」を感じたことはありませんか?
ほとんどの方は、つばを飲み込んだり、あくびをしたりすることで自然と症状が改善されるのですが、なかには強い痛みが出たり、耳の違和感が長引いたりする方もいます。
このような症状は、「航空性中耳炎」と呼ばれる状態かもしれません。
航空性中耳炎ってどんな病気?
耳の奥には、鼻と耳をつなぐ「耳管(じかん)」という細い管があり、これが耳の中の圧力を調整する役割をしています。しかし、耳管の働きが弱いと、急な気圧の変化にうまく対応できず、耳がうまく抜けずに痛みや詰まりを感じるのです。
軽い症状なら数時間で良くなることが多いですが、強い痛みが出たり、何日も続くような場合は注意が必要です。
予防のためにできること
以下のような方法で、耳の不快感を和らげることが期待できます。
- 離着陸時に飴をなめる・ガムをかむ
- つばを飲み込む、あくびをする
- 鼻を優しくかむ(強くかまないよう注意)
- 「気圧調整用の耳栓」を使う(市販で購入可能)
それでも症状が改善しない方には、必要に応じて以下のような薬による対策や処置も検討されます。
- 点鼻薬や抗アレルギー薬、漢方薬などの内服
- 鼓膜を小さく切開して空気を通す「鼓膜切開術」
- 繰り返す場合は「鼓膜チューブ留置術」など
ご心配な方はご相談ください
飛行機に乗るたびに耳の痛みでお困りの方、長引く耳の違和感がある方は、我慢せずに一度耳鼻咽喉科にご相談ください。
適切な診断と対策で、快適な飛行機移動を目指しましょう。