2025年11月01日
風邪が治ったはずなのに咳だけが続く、夜中に咳で目が覚める——そんなときは「咳喘息(せきぜんそく)」の可能性があります。
咳喘息とは?
咳喘息は、「ゼーゼー」「ヒューヒュー」といった呼吸音や息苦しさを伴わず、咳だけが長く続くタイプの喘息です。
診断の目安は「8週間以上咳が続く」とされていますが、2週間以上続いている場合も注意が必要です。
原因は、気道が刺激に対して過敏になっていること(気道過敏性)で、夜間から明け方にかけて咳が悪化することが多いです。
咳を悪化させる要因
・風邪などの呼吸器感染症
・ホコリ、ダニ、花粉などのアレルゲン
・乾燥した空気、冷気、たばこの煙
・睡眠不足、ストレス、飲酒、運動 など
こうした刺激が重なると、気道が反応して咳が続きやすくなります。
診断と気管支喘息との違い
咳喘息には、専用の検査はありません。
問診をもとに、他の病気(後鼻漏や副鼻腔炎、逆流性食道炎など)を除外しながら診断します。
気管支喘息と違い、呼吸音の「ゼーゼー」「ヒューヒュー」や強い息苦しさがないことが特徴です。
ただし、放置すると気管支喘息へ移行することもあるため注意が必要です。
治療
治療の中心は吸入薬です。
ステロイドと気管支拡張薬の配合剤を用い、気道の炎症を鎮め、咳を起こしにくくします。
症状に応じて、咳止めやアレルギーを抑える内服薬を併用することもあります。
咳が治まっても、気道の敏感さはすぐには改善しません。
しばらくは吸入を継続し、再発を防ぐことが大切です。
発作を防ぐためにできること
・手洗い・うがい、マスク着用で風邪予防
・寝具やカーテンのこまめな洗濯、掃除でダニ・ホコリ対策
・加湿器で乾燥を防ぎ、たばこの煙を避ける
・十分な睡眠と休養をとり、ストレスを溜めない
こうした日常の工夫が、咳喘息の再発予防につながります。
夜間の咳で眠れない日が続いている方は、咳喘息のサインかもしれません。
早めに耳鼻咽喉科を受診し、原因に合った治療を受けることをおすすめします。