2026年1月01日
舌が痛いと、話しにくい、食事を楽しめないなど、日常生活に大きな支障が出ます。「何か悪い病気ではないか」と不安になる方も多いのではないでしょうか。
舌の痛みは、舌炎や口内炎など炎症によるものが原因であることが少なくありません。この場合、痛む場所が赤く腫れていたり、白くなっていたりと、見た目の変化を伴うことがほとんどです。
一方で、舌に目立った異常が見当たらないにもかかわらず、痛みやしびれが続く場合には、「舌痛症」の可能性があります。
どんな症状が出るの?
舌痛症では、舌の先端や縁に
・ヒリヒリする
・ピリピリ、チクチクする
・ジンジンする
・焼けるように熱く感じる
といった痛みや違和感を訴える方が多くみられます。
辛いものや酸っぱいもの、熱い飲食物で症状が強くなったり、疲労やストレスで悪化したりすることがあります。また、夕方から夜にかけて症状が強くなる一方、睡眠中や何かに集中しているときには和らぐといった特徴も知られています。
考えられる原因
舌痛症の原因は一つではなく、いくつかの要因が重なって起こると考えられています。
- 神経の過敏性:神経痛のような性質の痛み
- 心身の影響:ストレス、不安、抑うつ状態など
- ホルモンや全身疾患:更年期、甲状腺機能低下症、糖尿病、シェーグレン症候群、胃食道逆流症など
- 栄養不足:鉄、亜鉛、ビタミンB12などの不足
- 薬の影響:一部の薬剤の副作用
- 口腔内の環境:口腔乾燥、口呼吸、義歯や歯の刺激、口腔カンジダ症など
診断について
診察ではまず、舌や口腔内を丁寧に観察し、炎症や舌がんなどの重い病気がないかを確認します。併せて、口腔内の清潔状態や義歯の影響、真菌感染の有無もチェックします。
問診で症状の経過や生活背景をうかがい、必要に応じて血液検査を行い、栄養状態などを評価します。
治療と向き合い方
治療の基本は、
・口腔内を清潔に保つ
・こまめな水分補給やうがいで乾燥を防ぐ
・十分な休息とストレスの調整
といった日常生活の見直しです。
栄養不足が疑われる場合には、亜鉛製剤やビタミン剤、鉄剤を補うことがあります。義歯や歯の問題が関係している場合は、歯科での治療が必要です。
症状が長引く場合には、漢方薬(加味逍遥散など)や神経障害性疼痛に用いられる薬、抗不安薬などを検討することもあります。これらは副作用に配慮しながら、専門医の管理のもとで行うことが大切です。
最後に
舌痛症は、見た目に異常がないため理解されにくく、つらさを一人で抱え込んでしまいがちな病気です。しかし、原因を一つずつ整理し、適切に対応することで症状が和らぐことも少なくありません。
舌の痛みが続いて気になっている方は、我慢せず一度耳鼻咽喉科にご相談ください。