2025年10月03日

「耳が痛い」「耳が腫れている」といっても、耳の穴の中や奥、外側など、原因はさまざまです。
今回は、耳の外側で顔から飛び出ている部分(耳介)に起こる代表的な病気をご紹介します。
耳介炎(じかいえん)
【症状】
耳が赤く腫れて熱をもち、強い痛みを伴うことがあります。
【原因】
多くは細菌感染がきっかけです。擦り傷やひっかき傷、ピアスホール、虫刺されなどから細菌が入り、耳介の皮膚や軟骨膜に炎症を起こします。虫刺されによるアレルギー反応で腫れることもあります。
まれに「再発性多発軟骨炎」という自己免疫の病気の一部として耳介炎が起こることもあります。
【治療】
抗菌薬や痛み止めで治療します。症状が強い場合は点滴治療を行うこともあります。膿がたまれば切開して排膿します。
長引く場合や他の部位にも症状がある場合は、再発性多発軟骨炎の可能性を考え精密検査を行います。
耳介血腫(じかいけっしゅ)
【症状】
耳が腫れて赤くなり、熱っぽさや痛みを伴います。
【原因】
耳の皮膚と軟骨の間に血液がたまり、腫れる病気です。
打撲や摩擦などの衝撃が主な原因で、柔道・ラグビー・相撲など、耳に強い負担がかかる競技をしている方によく見られます。
【治療】
針を刺して血液を抜く「穿刺排液」や、切開して血腫を取り除く処置を行います。その後、ガーゼやテープで耳を圧迫固定し、再び血がたまるのを防ぎます。
場合によっては縫合して固定することもあります。感染を予防するために抗生物質を内服することもあります。
放置すると耳の形が変形することがあるため、早めの処置が大切です。
まとめ
耳介炎や耳介血腫は、いずれも「耳が赤く腫れて痛む」という症状で始まりますが、原因や治療は異なります。どちらも早めに適切な治療を受けることが大切です。
耳に異常を感じたときは、自己判断せず耳鼻咽喉科での診察をおすすめします。