2025年12月01日
目の周りを強く打ったあとに、「まぶたがはれて目が開けにくい」「ものが二重に見える」「目が落ち込んで見える」といった症状が現れたら、眼窩吹き抜け骨折というケガの可能性があります。
あまり聞き慣れない病名ですが、目を強くぶつけたあとに気をつけたいケガで、スポーツや転倒など日常生活でも起こりえる身近な外傷です。
どんなときに起こるの?
もっとも多い原因は、強い衝撃が目の周囲に加わることです。
- スポーツ中の接触
- 転倒
- ボールが顔面に当たる
- 交通事故
- 喧嘩などの打撲
目を囲む骨(眼窩の壁)は薄い部分があり、強い衝撃で“吹き抜けるように”割れてしまうことがあります。これが「吹き抜け骨折」と呼ばれる理由です。
起こりやすい症状
眼窩吹き抜け骨折では、特徴的な症状が複数みられます。
・まぶたの腫れ
目が開けにくくなり、視界が遮られます。
・二重に見える(複視)
目を動かす筋肉が引っ張られたり動きづらくなったりすることで、特に上や横を見ると二重に見えることがあります。
・目が奥に入り込んで見える(眼球陥没)
骨折した部分に脂肪が引き込まれ、目が沈んで見えることがあります。
・頬や上口唇のしびれ(知覚鈍麻)
骨の近くを通る神経が影響を受けると、頬〜上唇にかけて感覚が鈍くなることがあります。
・吐き気・気分不良(眼心臓反射)
強い痛みにより気分が悪くなり、脈が遅くなることがあり、緊急対応が必要な場合もあります。
どうやって診断するの?
診断には CT検査 を行います。
骨折の位置や程度、脂肪や筋肉がどれくらい副鼻腔へ入り込んでしまっているかを確認します。
必要に応じて 眼科での視力や眼球運動の検査 を行い、症状の程度を詳しく評価します。
治療:手術が必要な場合と、経過を見る場合
治療は、症状の強さや骨折の広がりによって変わります。
● 手術治療
飛び出した脂肪や筋肉を元の位置に戻し、折れた骨を支える手術です。
- 物が二重に見える症状が強い
- 目が大きく陥没している
- 筋肉が骨折部に挟まっている
などの場合は、手術を行うことがあります。緊急手術が必要なケースもありますが、多くは受傷後1〜2週間の腫れが落ち着いた時期に行います。
● 保存的治療(手術をしない)
骨折が小さく、症状も軽い場合は、手術をせず経過を観察することもあります。
全員が手術になるわけではありませんので、ご安心ください。
受診のタイミングと注意点
目の周りをぶつけたあとに
- ものが二重に見える
- 目が動かしにくい
- しびれが続く
などの症状があれば、早めの受診をおすすめします。
(受診までの注意)
- 強く鼻をかまない
- 目の周りを押したり揉んだりしない
といった点にも気をつけてください。
最後に
眼窩吹き抜け骨折は、放置すると二重に見える症状や目の変形など後遺症につながることがあります。
目やその周辺を強く打って違和感が続くときは、早めに医療機関へご相談ください。