2026年1月15日
「何度もめまいを繰り返すのに、検査では異常がないと言われた」
「良性発作性頭位めまい症やメニエール病ではなさそうだと言われた」
このようなお悩みを抱えて受診される方は少なくありません。
めまいは生涯で7~8%の方が一度は経験するといわれるほど身近な症状ですが、その原因は実にさまざまです。
近年になって疾患概念が整理され、注目されるようになってきたものに「前庭性片頭痛」と「前庭性発作症」があります。いずれも比較的頻度が高いとされ、これまで「原因不明のめまい」とされてきた中に含まれていた可能性があります。
前庭性片頭痛とは
前庭性片頭痛は、片頭痛と関連して起こるめまいです。
これまでに片頭痛と診断されたことがある方や、「片頭痛かもしれない」と感じたことがある方で、めまいを繰り返している場合は、この病気の可能性があります。
主な症状
・めまい発作を繰り返す
・発作の持続時間は5分から72時間と幅があります
・めまいに加えて、片側性・拍動性の頭痛、光や音に敏感になる、視界がチカチカするなど、片頭痛に特徴的な症状を伴うことがあります
診断と治療
診断は主に病歴や問診から行います。
検査は、良性発作性頭位めまい症、メニエール病、脳血管疾患など、他の頻度の高い病気を除外する目的で行われます。
現時点で前庭性片頭痛に特化した確立治療はありませんが、片頭痛に準じた薬物治療が行われます。
前庭性発作症とは
前庭性発作症は、聞こえとバランスを司る神経(聴神経)が血管に圧迫されることで起こるめまいです。
主な症状
・1分以内という非常に短いめまい発作を繰り返す
・特定の方向に引っ張られる、傾く、倒れそうになる感覚を伴うことが特徴です
・顔面けいれん、耳鳴り、難聴、音が響く感じを伴うこともあります
診断と治療
こちらも病歴と問診が診断の中心になります。
特徴的なのは、カルバマゼピンやオクスカルバゼピンといった薬を用いた「診断的治療」で、内服によって症状が改善するかを確認します。
検査は、他のめまい疾患や脳の病気を除外する目的で行います。
繰り返すめまいでお悩みの方へ
これまで「めまい症」とひとくくりにされてきた中にも、このように少しずつ病名や治療方針が明らかになってきた疾患があります。
長くめまいを繰り返している方、原因がはっきりしないと言われている方は、一度、耳鼻咽喉科や脳神経内科で相談してみることをおすすめします。適切な診断にたどり着くことで、治療の選択肢が広がる場合もあります。