溶連菌感染症について|福岡県春日市の耳鼻科|にしじま耳鼻咽喉科 鼻手術クリニック

〒816-0855福岡県春日市天神山3丁目21番

TEL.092-558-3787

     WEB受付

溶連菌感染症について

溶連菌感染症について|福岡県春日市の耳鼻科|にしじま耳鼻咽喉科 鼻手術クリニック

2025年8月22日

最近、溶連菌感染症の流行が長引いています。高い熱や強いのどの痛みで受診される方も多く、耳鼻咽喉科でもよく診断・治療を行っています。

溶連菌感染症とは

溶連菌感染症は「A群β溶血性レンサ球菌」という細菌が原因で起こります。溶連菌はニュースなどで「人食いバクテリア」と恐れられることもありますが、実際には健康な人ののどや皮膚にも存在している常在菌です。多くの場合はのどに感染し、咽頭炎・扁桃炎や、発疹を伴う猩紅熱(しょうこうねつ)といった症状を引き起こします。

学校保健安全法では「第三種学校伝染病」に分類されており、適切な抗菌薬による治療を開始して24時間が経過し、全身状態が良ければ登校・登園が可能とされています。

感染経路と予防

感染は主に「飛沫感染(咳やくしゃみによるしぶき)」や「接触感染(手を介して口・鼻・目に入る)」によって広がります。とはいえ、溶連菌はもともと身近な細菌のひとつなので、過度に神経質になる必要はありません。

ご家庭で感染者が出た場合は、

  • こまめな手洗い・うがい
  • マスクの着用
  • タオルや食器の共用を避ける
  • ペットボトルの回し飲みを控える

といった基本的な対策で十分です。

主な症状と診断

溶連菌感染症の典型的な症状は、

  • 強いのどの痛み
  • 発熱
  • 倦怠感、頭痛、食欲不振

などです。鼻水や咳が目立たないことも特徴です。

また、全身に赤い発疹が出て「イチゴ舌(舌の表面が赤くブツブツする)」が見られる場合は「猩紅熱(しょうこうねつ)」と呼ばれます。小児では川崎病との区別が必要になるため、発疹を伴う場合は早めの受診をおすすめします。

診断は迅速検査で行います。のどの奥を綿棒でこすって検体をとり、5分ほどで結果が出ます。

治療

治療は抗生物質の内服が中心です。ペニシリン系やセフェム系の薬を10日間しっかり服用することが大切です。症状が軽くなっても途中でやめてしまうと、再発や合併症の原因になります。あわせて、解熱鎮痛剤やうがい薬を用いて症状を和らげることもあります。

注意が必要な合併症

溶連菌感染症そのものは適切に治療すれば治る病気ですが、まれに感染後数週間たってから合併症を起こすことがあります。たとえば、

  • 急性糸球体腎炎(尿の異常・むくみ・血圧上昇)
  • リウマチ熱(関節炎・心臓の炎症)

などが知られています。治療をきちんと受け、経過を観察することが大切です。

最後に

「のどがとても痛い」「高い熱が出ている」というときには、溶連菌感染症の可能性があります。耳鼻咽喉科では診断から治療まで対応できますので、気になる症状があるときはどうぞ早めにご相談ください。

TOP