2025年3月14日

「最近、子どもの聞こえが悪いかも?」と感じたことはありませんか?
✓ 呼びかけても反応が遅い・気づかない
✓ 何度も聞き返すことが増えた
✓ テレビの音を大きくしたがる
こうした様子が見られる場合、もしかすると「滲出性中耳炎(しんしゅつせいちゅうじえん)」かもしれません。
滲出性中耳炎とは?
これは、鼓膜の奥(中耳)に水がたまる病気です。風邪をひいた後や、鼻の調子が悪い状態が続くと、中耳にたまった水が抜けにくくなり、聞こえが悪くなることがあります。
急性中耳炎との違い
普通の「中耳炎」は、痛みや発熱を伴うことが多いですが、滲出性中耳炎は痛みがないため、子どもが自分で「耳が変」と言わないことがよくあります。
気づかないうちに進行し、長引くと聴力が低下したり、治りにくくなったりすることもあるので注意が必要です。
治療と対応
軽い場合は自然に治ることも
初期のうちは自然に治ることも多いため、まずは経過観察をします。
進行すると治療が必要に
✓ 長期間続く場合
✓ 聴力の低下が大きい場合
このようなケースでは、鼓膜を小さく切開して水を抜く処置や、鼓膜チューブの挿入を検討します。当院では、全身麻酔による日帰り鼓膜チュービングにも対応していますので、気になる方はご相談ください。
ご家庭でできる予防策
鼻を上手にかむ習慣をつけよう!
鼻をすすり続けると、耳の奥が陰圧になり、中耳炎になりやすくなります。そのため、正しく鼻をかむことがとても大切です。
しかし、なかなか鼻かみを教えるのが難しいお子さんもいらっしゃると思います。一つユニークな方法として、ティッシュロケット法というものを紹介します。
🚀 ティッシュロケット法(楽しく鼻をかむ練習)🚀
① 片方の鼻にティッシュを小さく丸めて軽く詰める(奥まで入れないように注意!)
② もう片方の鼻を指で押さえる
③ 「3,2,1…発射!」と言いながら鼻息でティッシュを飛ばす
他にも方法はあるようですが、うまく子供の興味をそそって、鼻かみの訓練ができるとよいですね。
まとめ
子どもの聞こえの変化は、気づきにくいことが多いですが、「いつもと違うな?」と思ったら、早めに耳鼻科で相談するのが安心です。
滲出性中耳炎は放っておくと長引いたり、聞こえに影響が出たりすることもあります。お子さんの聞こえに気になることがあれば、お気軽にご相談ください。