2025年5月16日

最近、子どもを中心に「リンゴ病(正式名:伝染性紅斑)」が流行しています。
これは「ヒトパルボウイルスB19」というウイルスによる感染症で、主に幼児から小学生くらいの年齢層でよく見られます。
出席停止にはならないの?
リンゴ病は感染症法上は「5類感染症」に分類されていますが、学校保健安全法では特に出席停止の規定がありません。
つまり、診断されたとしても、体調が良ければ登校や登園を止める必要はありません。
主な症状と流れ
- 最初の数日間(風邪のような症状)
・微熱
・咳、鼻水などの軽い風邪症状
この時期が最も感染力が強いとされています。 - 約1週間後に現れる「ほっぺの赤み」
・両頬がリンゴのように赤くなる特徴的な紅斑(こうはん)
・その後、腕や脚、体にレース状・網目状の発しんが出現することもあります。
この時期にはすでにウイルスの排出はほとんどなく、人にうつすことはほぼありません。 - 発しんは自然に消えます
多くの場合、1週間ほどで発しんは薄れ、自然に回復します。
治療は必要?
特別な治療は必要なく、症状に合わせた対症療法(解熱剤、咳止めなど)で十分です。
多くは自然に治るため、重症化を心配しすぎる必要はありません。
注意すべき方もいます
ただし、妊娠中の方は注意が必要です。
過去にこのウイルスに感染したことがない妊婦さんがリンゴ病にかかると、ごくまれに胎児に影響が出る(流産や胎児の異常)ことがあります。
特に、保育士さんや教師など、日常的に子どもと接するお仕事の方は、風邪症状のある人との接触を避ける、こまめな手洗い・マスクの着用といった基本的な感染対策を心がけましょう。
最後に
「ほっぺが赤くなってきた…」と気づいたときには、すでに感染力の高い時期は過ぎていることがほとんどです。
過剰に心配せず、症状がつらい場合や気になることがあれば、どうぞお気軽にご相談ください。