においがしない時の嗅覚トレーニング|福岡県春日市の耳鼻科|にしじま耳鼻咽喉科 鼻手術クリニック

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においがしない時の嗅覚トレーニング

においがしない時の嗅覚トレーニング|福岡県春日市の耳鼻科|にしじま耳鼻咽喉科 鼻手術クリニック

2025年8月15日

料理の香りがしない、好きだった花の匂いが感じられない——嗅覚が低下すると、日常生活の楽しみが損なわれるだけでなく、火事やガス漏れなど危険を察知しにくくなります。さらに、近年の研究では嗅覚低下が認知症の進行にも影響する可能性が指摘されています。

風邪や新型コロナウイルス感染の後に鼻づまりや鼻水が改善しても、においだけが戻らないことがあります。そんなときは早めの対応が大切です。

主な原因

嗅覚低下にはさまざまな原因があります。

  • 副鼻腔炎(蓄膿症):炎症で嗅覚の通り道がふさがれる。
  • 鼻中隔弯曲症や鼻腫瘍、慢性鼻炎:構造や粘膜の問題で空気の流れが悪くなる。
  • ウイルス感染後・頭部外傷・加齢:嗅神経そのものがダメージを受ける。

鼻づまり、膿性鼻汁、後鼻漏、鼻や目の周囲の痛みなどを伴う場合は、まずは耳鼻咽喉科を受診しましょう。

嗅覚刺激療法(嗅覚リハビリテーション)

耳鼻科での診察・治療とは別に、ご自宅で行える方法です。特定の香りを繰り返し嗅ぎ、嗅覚の回復を促します。

  • ドイツ式(原法):バラ、レモン、ユーカリ、クローブをそれぞれ10〜15秒嗅ぎ、1セット2回ずつ、1日2セット、数か月続ける。
  • 代用方法:好きな香水やコーヒー、花など身近な香りでもOK。4〜5種類選びましょう。

重要なのは1日2セットを毎日継続すること。効果が出るまで3〜9か月かかることも多く、やめると再び低下する場合もあるため、改善後も続けることが推奨されます。嗅ぐときは実際の匂いが感じられなくても、「どんな香りかを想像する」ことが大切です。

専用キットの活用

嗅覚トレーニング専用キット「NeilMed Smell Restore(ニールメッド スメルリストア)」というものもあります。嗅神経を刺激するとされる果実・花・樹脂・スパイスの4種類の天然精油が使用されており、妊娠中・授乳中でも使用可能のようです。興味のある方は調べられてみてもよいでしょう。

鼻の通りを整えるサポート

嗅覚トレーニングの前には、鼻の通りを良くすることも大切です。鼻うがいは鼻腔の汚れや炎症物質を洗い流します。専用キットはドラッグストアだけでなく当院でも販売しており、「ハナクリーン」が代表例です。必ず生理食塩水または専用液を使い、水道水はそのまま使わないようにしましょう。

まとめ

嗅覚の低下は放置すると回復しにくくなることがあります。耳鼻科で原因を調べ、必要に応じて治療を行うことも大切です。それとは別に、ご自宅でもできる嗅覚刺激療法を生活に取り入れてみることも、一つの選択肢かもしれません。

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