こどもの夏かぜ。主な3つの病気について|福岡県春日市の耳鼻科|にしじま耳鼻咽喉科 鼻手術クリニック

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こどもの夏かぜ。主な3つの病気について

こどもの夏かぜ。主な3つの病気について|福岡県春日市の耳鼻科|にしじま耳鼻咽喉科 鼻手術クリニック

2025年6月27日

 夏になると、子どもが突然の発熱やのどの痛み、発疹などの症状を訴えることがあります。いわゆる「夏かぜ」と呼ばれる感染症は、いくつかのウイルスが原因で起こるもので、主に以下の3つが代表的です。

1. 咽頭結膜熱(プール熱)

原因:アデノウイルス
主な症状:高熱(38〜40℃)、のどの強い痛み、目の充血や痛み、目やに

感染力:非常に強く、家庭や学校内で広がりやすい感染症です。学校保健安全法により、「主要症状が消えてから2日が経過するまで出席停止」と定められています。

検査・診断
・外来での迅速検査が可能です。
・より精密な検査として、唾液や鼻咽頭ぬぐい液を使ったPCR検査もあります。

治療
アデノウイルスに対する特効薬はありません。治療は水分補給や解熱剤、のどの炎症を抑える薬などによる対症療法が中心です。目の症状が強い場合は、点眼薬を使うこともあります。

感染予防のポイント
・手洗い、うがいの徹底
・タオルや食器の共有を避ける
・登園・登校のタイミングについては医師の指示を仰ぎましょう

2. 手足口病

原因:エンテロウイルスやコクサッキーウイルス
主な症状:手のひら・足の裏・口の中に小さな水ぶくれのような発疹。発熱はあっても軽度です。

検査・診断
・特定のウイルスを検出する信頼性の高い検査は限られています。
・外来では、症状と視診での診断が中心です。必要に応じてPCR検査を行うこともあります。

治療
特効薬はなく、発熱や痛みに応じて解熱剤などを使い、水分と栄養をしっかりとることが大切です。

出席停止について
法律上の出席停止規定はありません。ただし、症状が強い場合は無理をせず休ませましょう。

注意すべきポイント
まれに髄膜炎や脳炎などを合併することがあります。ぐったりしている、呼びかけに反応が鈍い、意識がもうろうとしているといった様子があれば、すぐに受診してください。

3. ヘルパンギーナ

原因:エンテロウイルスやコクサッキーウイルス
主な症状:急な高熱と、口の奥(のどの粘膜)にできる水疱や潰瘍。のどの痛みが強く、水分がとりにくくなることがあります。下痢や嘔吐を伴うこともあります。

検査・診断
・基本的には診察による視診で判断します。
・必要に応じて補助的にウイルス検査を行うこともあります。

治療
ウイルスに対する治療薬はありません。高熱や痛みに対しては解熱剤などを使用し、しっかり休養を取ること、水分・栄養を意識することが大切です。

出席停止について
ヘルパンギーナは「第三種学校伝染病」に指定されており、発熱やのどの痛みなどの症状がある間は出席停止とされています。症状が落ち着いてから登園・登校しましょう。

最後に

 子どもの夏かぜは、重症になることはまれですが、強い感染力や突然の高熱、のどの痛み、水分がとれないなどの症状があるため、保護者の方にとっては心配の多いものです。

 「夏かぜかも?」「これは受診が必要?」と感じたときは、早めにご相談ください。のどの腫れや痛み、発疹の有無などをしっかり診察し、お子さんの状態に合わせた対応をいたします。

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